【読了】悪い奴ほど合理的
なかなか読書が進まずようやく読了。
本自体は読みやすいのだが、まとまって読書をする時間を取れなかった。
Amazon.co.jp: 悪い奴ほど合理的―腐敗・暴力・貧困の経済学: レイモンド・フィスマン, エドワード・ミゲル, 溝口 哲郎, 田村 勝省: 本
よりよい社会は何か、どのように作れるのかを考えたいと思い読むことにした。
サブタイトルにあるように、いかに世の中の腐敗や暴力、貧困が経済合理性に基づいて生まれているかを解説している。
特に関心を惹かれたのは2章にあった汚職の価値を株価の推移から推定するもの。
インドネシアの独裁政治下の政治的つながりがある企業の株価の推移は、優位に独裁者の健康状態に左右されており、汚職にはそれだけの価値があると考えられる。
これまで「株価はすべての情報を取り込みその企業の実態を反映する」と聞いてもあまり実感がわかなかったが、実際の株価の動きをみると納得できた。
他方、4章の腐敗の程度は国の文化によって異なるという言説は納得できているものの、どのように国が変わっていくのか/変われるのか、という意味において限界があるのかとも考えられ難しさがある。
最近仕事を通して自分の弱点の一つにエビデンスベースで議論を構築することがあると痛感しており、その意味でもどのように論理展開するかを考えさせてくれる良いきっかけになった。
世界を良くするためにはいろいろな手法が考えられていて、それぞれ確からしいのだが、なぜ大幅には変わったように思われないのか。
徐々に変わっていても見えないだけなのか。